エジプトは、ムバラク政権を崩壊させたデモ開始から、この1月25日で2年になるそうで。
しかし、2013年1月26日の東京新聞の記事によれば、祝賀ムードどころか、リベラル派は昨年誕生したモルシ(ムルシ)・イスラム政権に反発する大規模デモをカイロ各地で呼び掛けているといいます。
《参照した東京新聞記事はこちら》「食べるのもやっとだが、まずはデモや言論の自由などの権利を守ることが大事だ」
「大統領選ではムバラク体制を完全に終わらせようとモルシ氏に投票したが、裏切られた。さらなる革命が必要だ」
そんな国民の声に「申し訳ないけど、こうなることはわかってたんじゃないの?」と言いたい気持ちです。
モルシ政権は、革命に賛同してた人たちが本来望んだ政権じゃありませんから、今日の情勢は誰もが予想したこと。そもそも民主化を求めて集まった人々がムバラクを追い出すことに固執する姿勢に対し、私はひじょうに疑問を感じました。
なにより、反ムバラクで、民主化勢力がイスラム原理主義勢力と(結果的に)共闘してしまったのが最大の間違い。
モルシ氏は、穏健派とはいうもののイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の出身。そんな出自の人に民主化を期待できようはずがありません。
「敵の敵は味方」という構図的論理がいかに危険かをいつも思います。
さらに言うなら、革命を煽ったグーグル幹部のワエル・ゴニム氏や元IAEAのエルバラダイの責任を私は一番感じます。彼らは現状をどのように見ているのでしょうか。
ムバラクは莫大な不正蓄財やデモへの武力弾圧もありましたが、シリアやリビアの暴君に比べたらはるかに穏健であり、対話にも応じる姿勢を示していました。
近隣の中東・北アフリカ諸国と異なり天然資源に恵まれないエジプトという国を、まがりなりにも長期間安定的に運営しイスラム原理主義勢力の台頭も許さなかった点は評価できると思います。
民主化デモが盛り上がる中、ムバラクは相次いて譲歩案を提示してましたから、何が何でも追放するより譲歩を引き出す方が良い結果を生むだろうと感じていました。
ですので、いまのエジプト情勢には、案の定…という想いしかありませんね。そして、さらなる悪化を懸念して止みません。
このことは、民主党への嫌悪感から、自民党政権を復活させてしまった日本にも同じ構図が見て取れると思うのです。
アルジャジーラのニュース映像。
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